日生劇場へ行ってきました。
去年からずっと楽しみにしていたこの日!
南仏サントロぺのゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」を舞台に、
事実上の夫婦であるジョルジュと“ザザ”ことアルバンを中心に
繰り広げられるストーリーです。
なるほど舞台を目の前にして座っている私たち観客は、
「ラ・カージュ・オ・フォール」のショーを観にきている
お客さんさながらというわけです。
誘っていただいて一緒に観劇したお友達が、
舞台と会場の一体感がハンパないと言っていたのは
こういうことだったんだなぁと実感。
そして、物語は進んでいきます。
たくさん笑えて盛り上がれるミュージカルのはずなのに、こんなに涙が出るなんて!
私にとっては、いろいろな種類の涙がでるミュージカルだったのでした。
夜更けのカフェで、
ジョルジュがアルバンに思い出を語りかけるように歌う♪『砂に刻む歌』。
これは、じんわりと瞼に滲んで鼻にツンツンくるような切ない涙。
結婚話を進める為に自分を排除しようとする
ジョルジュと息子ジャン•ミッシェルに対して
アルバンが失望と憤りをぶつける♪『ありのままの私』。
これは、内から感情が湧き出して
目の奥からじわっと押し出されてくるような熱い涙。
そして、アルバンがこれまで母親としてしてきたことを
息子に諭すようにジョルジュが歌いかける♪『見てごらん』。
これは、一瞬であふれ出て頬を一筋ツーっと流れてポタリと落ちる涙。
フィナーレでは、華やかなレビューの衣装でダンドン議員一家も登場し
楽しさとおかしさと感動が入り混じった泣き笑い状態の涙。
ずっと長く続いているミュージカルだけに楽曲がどれも素晴らしく、
まるでキャストの一員であるかのような「マエストロ」の指揮から繰り出される
オーケストラピットの生演奏が舞台を盛り立てていました。
そのせいか、俳優さんのことばは
セリフより歌に乗せた方がずっと自然に入ってくるのです。
自分はお芝居が好きというより音楽が好きなんだな…と改めて実感しました。
ジョルジュ役の鹿賀丈史さんはこれまで俳優さんのイメージしかなく、
歌っているのを観るのも聴くのも今日が初めてでした。
あんなに歌が上手い方だったなんて!
アルバン(ザザ)役の市村正親さんは、
20年ほど前にミスサイゴンで観て以来になりますが、
ずっと第一線で活躍しているベテランですし、
個々のキャストの素晴らしさを書き連ねるとキリがないくらい
実力者ぞろいの豪華な顔ぶれでした。
ふだんミュージカルや舞台はほとんど観ないので、
連れて行ってくれたお友達にただただ感謝です。
今でもフワッとした余韻につつまれて、
あの夢のような時間からなかなか現実に戻って来られません…
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